農大A2ミルクブログです。第5回です。
A2ミルクに関する論文が発表されましたので、紹介します。
タイトルは、Analysis of the Frequency of the A1 and A2 Alleles in the Beta-Casein Gene and the A, B and E Alleles in the Kappa-Casein Gene in Local Cattle Breeds: Polish Red and Polish White-Backed
「Polish RedとWhite-Backed種におけるベータカゼイン遺伝子A1, A2アレル頻度とカッパカゼインA, B, Eアレル頻度の解析」
雑誌:International Journal of Molecular Science
2025 26(5), 2212, doi: 10.3390/ijms26052212
責任著者:Joanna Barłowska
責任著者の所属:
Department of Quality Assessment and Processing of Animal Products, University of Life Sciences in Lublin, Lublin, Poland
利益相反
なし
牛の品種にはその地方独特のものがあります。これらは在来家畜と呼ばれ、貴重な遺伝資源です。しかし、乳牛に関していえば、ホルスタイン種が優勢です。日本では、なんと99%がホルスタイン種です。
在来家畜が飼育、保護されると乳牛全体の多様性が保たれます。多様性は、品種の改良、乳製品の生産に適した品種の選択に貢献します。
この研究では、ポーランドの在来品種であるPolish RedとPolish White-Backedを対象に、そのベータカゼイン遺伝子とカッパカゼイン遺伝子のアレル頻度を求めました。
ベータカゼイン遺伝子のA1アレルとA2アレルでは、A2アレルが消化器官によいとされています。また、カッパカゼイン遺伝子のA, B, Eアレルのうち、Bアレルはミルクの凝固性やカードの品質によいとされています。
Polish Red (n=1000)とPolish White-Backed (n=777)の毛根から抽出したDNAを用い、ジェノタイピングを行いました。
その結果、A2のアレル頻度は、White-Backedで61.2%、Redで43.0%でした。
カッパカゼインのBのアレル頻度は、White-Backedで31.3%、Redで35.0%でした。
White-Backedでは、乳量と遺伝子型との間で相関がみられました。最も乳量の多い牛は、ベータカゼインA2A2、カッパカゼインAAでした。
以上の結果から、A2ミルクを生産には、Polish White-Backedが適しているとしています。

Polish Red (Int J Mol Sci . 2025 Feb 28;26(5):2212. doi:10.3390/ijms26052212)

Polish White-Backed (Int J Mol Sci . 2025 Feb 28;26(5):2212. doi:10.3390/ijms26052212)
東京農業大学 庫本高志
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